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ミクロ団粒の内外に棲息する微生物と土づくりの関係①

 

 前回、ミクロ団粒とマクロ団粒と水分の関係性を見ていきました。ミクロ団粒の毛管孔隙は土壌が保持できる水分と大きくかかわり、マクロ団粒の孔隙には、重力水か酸素で満たされていて、水はけの良さに関わるという話でしたね

 

 では、土壌団粒と微生物の観点から今回は見ていきたいと思います。

土壌に有機物が入ると、微生物分解を受け、有機・無機複合体(粘土・腐植複合体)が出来、腐植が形成されるのでしたね。その話は、弊社豊田グリーンソイルのHPでも記載されている通りです。そこでミクロ団粒とマクロ団粒では、有機物と微生物がどういう関わり合いをするのかを詳しく見ていきましょう。

 

まず、土壌団粒の形成には、細菌や糸状菌などの微生物やミミズなどの土壌小動物が大きく関わり合います。

 土壌微生物の多くは土壌の孔隙に棲んでいるが、土壌の孔隙の大きさも様々である様に、微生物の大きさも様々です。微生物の大部分は細菌と糸状菌であり、その数は細菌が圧倒的に多い。

しかし、バイオマス(生体重)だと、糸状菌の方が多い。というか、重い。

 

 要するに、細菌は数が非常に多いが、その大きさは小さいので塊になっても大した大きさではないということです。対して、糸状菌は、総数こそ細菌より少ないが、細胞が大きいので塊になると細菌より遥かに大きいということです。

 

まとめると

  • 細菌 ・・・数は大変多い。体は非常に小さい(0.5~2µm程度)。粘土粒子と同程度の大きさ。放線菌も細菌の1種。菌糸(0.5~1µm程度)と細い幅の菌糸を作る。
  • 糸状菌・・・細胞が大きいが、数では細菌より少ない。カビやキノコの様な菌糸を作る菌類(真菌)。細胞核が存在する真核生物。菌糸(2~10µm程度)で細菌よりかなり大きい
  • 藻類
  • 原生動物
  • 小動物 

 

の順に大きくなります。

 

 弊社の黒土も、この様に、様々な微生物が棲息しているのかなと思いますが、実際どれくらい棲息しているのかなぁ。計測したことはないのでわかりませんが。それに、微生物自体が、全て解明されているわけではないので、まだまだ明らかになっていない数もどれだけあるのでしょうか。また良い畑の土なんかでは、足の裏くらいの面積で数万とかいた気がします。

 けれども、バーク堆肥なんかの堆肥は発酵の過程で経過を観察することが出来ます。

最初、発酵が未熟な時は、目で確認出来る小動物なんかや、ミミズがまだ棲息しています。ミミズは、まだ分解可能な粗大な有機物がある時なんかによく発見出来ます。ミミズがいるから完成された土壌というわけではなく、まだまだいい土になっている途中なんですよね。その後、分解が進むと糸状菌が活発になってきて、菌糸が伸びているところが確認できます。その後糸状菌から細菌の活動が活発になっていきます。この様な、微生物活性もまたの機会に詳しく見ていきましょう。次回は、ミクロ団粒の内と外での微生物との関係に触れていこうと思います。