前回、3相分布を測ってみた①では、土壌の採取から計測準備、測り方を主に説明しました。
簡単に復習すると
・〈採取した土〉-〈乾燥した土〉の重量=水分量=液相率
・〈乾燥した土〉÷2.65←土の真比重=固相率
・100-〈液相率〉-〈固相率〉=〈気相率〉
です。
では、実際に今回サンプルした土壌の測定結果を見てみましょう。
まず、採取した土壌が154g
これを、乾燥させたところ、115g
よって
液相率= 154-115=39g (%)
固相率 = 乾燥土 115g ÷ 2.65 (土の真比重) = 43.3 (%)
気相率 = 100 - 液相率 - 固相率 =17.7
よって、固相率 : 液相率 : 気相率
= 43.3 : 39 : 17.7 となります。
それぞれを見ていくと
まず、乾燥重量が115g/100mlだとすると 比重は1.15となります。
良く肥沃した土壌で比重がちょうど1くらいがいい土壌と言われています。
が、この辺りは、真砂土が広がる非火山質の鉱質土壌なので、比重は少し重くなります
ちなみに真砂土は1.6くらいあります。
なので、その結果から見れば、問題になるほどではなく、まずまずでしょう。
ちなみに、関東ローム層の火山灰性の土壌は、比重が0.8とかで逆に軽すぎるデメリットも出てきます。
火山灰性土質で1.15でしたら、少々重いでしょうけど
液相率は39%と悪くはありません。
どちらかというと水持ちが良いイメージがあります。
あまりに水持ちがわるいと枯れたり散水の手間や回数が増えるので
適度な水持ちがある方が良いといえるでしょう。
気相率は17.7とまぁ良しとする範囲でしょう。
一般的に、最低でも気相率は15%は欲しいところです。
それ以下だと、常に湿っていて、根が適切に呼吸を出来ずに、最悪の場合、
窒息して根腐れを起こしてしまします。
理想的には、20~30%の値の中にあると、良好であると思われます。
この様に、3相分布を簡易的に測るだけで、土壌の状態が見えてきます。
3相分布の中で、特に大事なのが、【気相率】でしょう!
気相率の小ささは、排水性のわるさにつながり
作物の成長に悪影響を及ぼします。
特に、この辺りは、粘土層が広く排水不良の箇所も多いので、得に注意が必要でしょう。
ちなみに、真砂土でやってみると、すぐに乾燥して
水持ちのなさが改めて実感できますよ...
今回採った土壌では、さらに改良するとしたら、
気相率を上げてあげるために、m2辺り5L程度の堆肥等を投入してあげ
土と良く馴染ませ、腐植を増やしてあげれば
もう少し、土もやわらかく、軽く、ふんわり、していくでしょう。
ただ、それはすぐには出来ませんよ~
一気に改善しようとして、堆肥を多投入すると逆に排水の悪化を招いたり
最悪、土壌中で腐敗しますので、入れる時は、
水持ちのいい土壌の時は、少量を継続的にですよ。
砂質の時は、ある程度一気にいれて改善するのもありですが、
土づくりには、時間がある程度かかります!!
(個人的には、今回採取した土には、重力水が残っていたのかなぁとも思いますが
その辺は、簡易的なのであくまで目安ということで…)
また、排水がわるく、気相率が15%以下
場合によっては、一桁なんて時には
一気に良質の土を客土するなんてのもアリです。
30㎝入れれたら最高ですが、20㎝でも効果はかなり変わります。
最低でも15㎝は入れたいですね!
でも、この3相分布の簡易分析。何度かやってみると、なんとなく
気相率の感じが分かってくるのでお勧めですよ!
水持ち水はけのだいたいな感覚が分かってきます。
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