前回、粘土の対策として、圃場の周りを溝堀することに触れましたね。
では、他の対策として
良く粘土質の改良や排水性の改善や土壌改良に、もみ殻を入れるといいって聞いたことあると思います。
これってどうなんでしょう?
今回は、もみ殻の効果について触れていきましょう。
最初に断言しておきますが、もみ殻を入れて、期待して
ワクワク待ってみても...
まず粘土質なんてすぐに簡単に改善されません!!!
すいません、それくらい粘土ってやっかいなんです。
冒頭で期待させておいてすみません
何か、肩透かしみたいですね。
では、効果ないのか?
答え:なくはないです。
ただ、時間がかかります。
これでは、曖昧な在り来たりの返答ですね。
では、もう少し詳しく見てみましょう。
もみ殻はまず、外側が固く内側が固い性質をしています。
ですので、これを土に入れると、固い砂を入れるのと似たような効果で
土と土の間に入り込み、微妙に隙間を作ってくれます。
だから、排水の改善の効果が見込めます。ただ、この効果、なかなか現れません。
見た目にもほとんど変化はすぐにはありません。
それに、もみ殻はC/N比が非常に高く、75とかあります。
一般的に土壌に有機物を鋤き込む場合、C/N比が20くらいでないといけないとありますよね。
それ以上だと、窒素飢餓を起こす可能性が高くなります。
だから、完熟堆肥を入れようと完熟、完熟とこだわるんですよね。
ちなみに、完熟堆肥じゃないとダメなんですか!?
中程度の発酵の堆肥じゃダメなんですか?
それは、時と場合と...
土による!
なぜなら、砂地などは有機物の分解が早く、すぐに地力を失ってしまうため
完熟よりも中熟程度の堆肥や難分解性の堆肥の方が効果的な場合もあります。
また、易分解性の堆肥(鶏糞や米ぬかなど)や難分解性の堆肥(リグニン質を持つもの)
を合わせて使った方が効果的だという考え方もあります。なので、教科書通り、完熟、完熟と拘りすぎる必要もないのかもしれません。そのこともまた今度触れていきたいですね。
少し、脱線しました。
話を戻します。
もみ殻のC/N比は、75と非常に高いので、こんなの土壌に入れたところで簡単に分解されません。3年くらいは平気で土の中にそのまま残っているんじゃないでしょうか。
年月が経ち、徐々に分解され、もみ殻が腐植へと変わっていくと土が次第にだんだんと柔らかくなっていくという話です。
なので、鋤き込み直後はそれ程窒素飢餓の心配もないのではないでしょうか?むしろ、半年、1年経った後の窒素の施用の時期に、状況を見て、判断してあげることの方が重要です。そこを見極められる目が必要になってくるかもしれません。当然土質によっても変わってくると思います。
尚、鋤き込んですぐはよく分からないと思いますが、1年も経過してくるとその効果は出てくると農家の方も仰っていました。
ただ、その間、もみ殻だけを頼りにするのでなく、バーク堆肥や腐葉土などの堆肥の投入や川砂やクリンカアッシュなどの砂分の投入なども同時に行って、腐植の生成を促したり、団粒の増加を期待してあげるのも効果的だと思います。
上記のクリンカアッシュですが、川砂と同じような砂分なのですが、川砂よりも、炭の様に多孔質で、空気が入る層が多い特徴があります。しかも川砂より軽い特徴があります。これも粘土質の改善には、確実に効果があります。
いずれにせよ、粘土質の改善は、少しずつ時間をかけて行きましょう。
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