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粘土の畑の改良の仕方として出来る様々なことと順番

●粘土の改良の仕方

 

粘土の土壌は根気がいるので、気長にじっくりと焦らず行ってください。

粘土の場合は、水が適度にある状態の時(要するに耕しやすい時)に作業を行ってください。粘土の土壌は、乾くとカチカチになってしまいますが、水分が多くても、大きなべっとりとした塊にしかなりませんので、適度な水分状態の時に作業が一番しやすいです。

 

粘土の問題点は、第一に排水性がわるいこと

 

  1. まずは排水性を改善出来る対策を圃場に施すこと
  2. 排水性が改善されたら、有機物や堆肥などの投入

 

 この流れです。

 

 出来ることなら、暗渠排水を施すと一気に排水性を改善出来るのですが、そうなると人力でなく機械で土を掘り起こさなければならないので、かなり手間がかかります。

ですので、可能な限り人力で出来ることを挙げてゆきます。

 

①まず、1つ目の圃場に施せる対策として

 

  • 圃場の四隅を掘り、排水を促す(明渠排水)
  • 耕盤層があるなら、掘り起こし水が浸透する水道を作る
  • 排水のわるい箇所では、部分的に縦穴も切り、排水を促す
  • 畝の間の通路でも、水が溜まるところは周囲の溝に排水を導く

 

②次に排水性を改善するために投入できる資材は

 

  • クリンカアッシュを2割程混入する。50~60L/m2程度

 

 ※クリンカアッシュとは...

 粘土に混ぜることで、粘土がカチカチに固まることを抑え、排水を改善する。炭の様に多孔質な形状をしているので、空気を多く通し、通気性の改善になります。川砂と似た効果で川砂よりも遥かに軽く作業性が楽に済みます。しかも、籾殻燻炭よりも確実に安く、高い効果が期待出来ます。当然、混入の手間はかかりますが、出来るならばやっておいた方が確実に土質は改善します。

30㎝に15~20%鋤き込むとすると、1m3あたり20m2程度改良出来ます。

 

  • もみ殻やもみ殻堆肥やもみ殻燻炭などを混ぜ込むのも一つの方法

 

 上記の様な、排水性を改善する方法を施すのが先決です。

  →それでも排水性が改善されない場合は、良質の土を客土し、高畝となる様にしましょう

 

 

③排水性を改善する方法が出来てから、ようやく土を豊かに出来る土壌改良に移れます

 

  • 砂地の時と同様、弊社の改良用土を20L/m2程度、表層に撒き耕す
  • 他の有機質堆肥等を鋤き込む

 

 粘土も基本的に真砂土と同じく保肥性の低い粘土鉱物真砂土地帯カオリナイトという粘土鉱物の中でも保肥性が低い性質を示す)なので、堆肥等を投入して腐植を増やす土づくりを目指します。粘土鉱物と有機物が分解されて粘土・腐植複合体が出来るのでしたね。

ただ、山砂みたいな砂粒子ばかりで単粒構造のサバ土とは違い、粘土を多く含んでいた方が腐植の生成がされやすく団粒構造も発達しやすいので、サバ土より保肥性あがりやすいです。なので砂地ほど大量に有機物を入れる必要はありません。

 

 大切なのは、排水性を向上させた後での、土づくり=腐植の生成です。

 

 

栽培後は砂地の時と同様に

  • 豊田グリーンソイルの改良用土を10L程度表層に鋤き込む
  • バーク堆肥や腐葉土、牛糞堆肥など各種堆肥を2㎏=4~5L程度/m2施用する
  • 緑肥作物を栽培して鋤き込んだり、収穫物残渣を鋤き込む

 

 また、耕起栽培だけでなく、不耕起栽培や有機物マルチや草も雑草も刈らずに土壌団粒の発達に努める方法など栽培方法は様々あります。不耕起栽培などでは有機物は鋤き込まずに、表層に撒くだけが主流です。いろいろな方法を試したり、創意工夫や試行錯誤しながら、土づくりを経験し体感することが重要かもしれませんね。土壌団粒の発達や腐植の増加に努めながら、実際に経験することが大切であり、非常におもしろいところなのかもしれませんね。

 

 

●まとめると

粘土質の畑の改善方法は

  • まず排水を改善する

 →→溝を掘るなど、排水を促す物理的な処置を施す
 →→排水を改良出来る資材等を投入する
 →→それでもダメなら、客土する

  • その後、堆肥等の投入により、腐植や団粒の増加に努める

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コメント: 1
  • #1

    服部 久夫 (木曜日, 07 12月 2023 21:19)

    ありがとうございました。