真砂土(山砂)の改良方法として、バーク堆肥を混ぜる方法が一般的に多く用いられています。
真砂土自体が乾きやすく、しまりやすい特徴をもっていましたね。また肥料持ちがわるい特徴もありましたね。
では、土壌改良とはどういった観点から考えればよいのでしょうか?
もともと土壌改良は、物理的、化学的、生物的な側面の3点からの改良アプローチに分かけることが出来ます。
しかし、生物的な改良は、分析や効果の判断が難しく(方法としてもコストの面からも)
一般的に、物理性と化学性の2点を改善する方法が多く用いられます。
Point1.土壌改良 ➡ ≪物理性・化学性・生物性≫の3項目から判断出来る
→改良効果の高い、物理性と化学性の2方面から改良アプローチするのが一般的
では、真砂土にバーク堆肥を混ぜるとどの様な改良効果があるのでしょうか?
バーク堆肥の改良効果には、物理性と化学性の両方の改善効果が見られます。
物理性の改善では、バーク堆肥は水持ちと水はけの両方を良くします。
これは、バーク堆肥には、堆肥の中に樹木の有機物が分解され腐植として蓄積した成分が含まれます。
この腐植が土壌の水持ちと水はけ(適度に水分は含むことが出来るけど、多すぎる水分は排出する)
という相反する特性をもたらします。
また、バーク堆肥には、保肥性を改善する効果があります。
肥料を蓄える力が土よりも高いので総合的に保肥性(肥料持ち)が良くなります。これにより栄養分が効きやすくなり効果も持続しやすくなります。
逆に、バーク堆肥の注意点として、撥水性(水を弾く性質)があります。
バーク堆肥には、湿っている状態(水分を含む状態)ではいいのですが
一旦乾燥してしまうと、水を与えても水を弾いてしまい、水分を吸収出来なくなる性質(撥水性)があります。
これにより雨が降っても、水が吸収されにくくなる現象が起こってしまいます。
山砂の場合、ただでさえ水持ちがわるく、すぐに乾燥してしまう性質があるのに
夏の高温や日照りが続いて乾燥してしまった時に、少しの潅水(水やり、降雨)では水分を吸収できなくなってしまいます。
その結果、さらに干上がってしまいます。
一見すると、バーク堆肥は水持ちと肥料持ちの両方の効果があるので
土壌改良にはバーク堆肥だけで良さそうに思えますが、夏場の高温時など極端な乾燥の時に注意が必要です。
バーク堆肥は土を乾かすとも言われることがあります。
最後に、バーク堆肥だけでは、土の団粒構造を発達させることが出来ません。
真砂土とバーク堆肥だけでは土壌構造を発達させる事は出来ません。
土壌構造を発達させ団粒構造にさせるには、適度な粘土粒子が必要となります。
粘土粒子と分解された有機物が結びついて初めて腐植が出来上がり、団粒構造へと発達していきます。
しかしながら、粘土が多すぎてもいけません。
粘土が多すぎると排水不良となり根がうまく伸びることが出来ず過湿条件となります。
粘土地帯なら団粒構造が発達するかと言えばそうでもありません。
土が作られる過程には、効果的な水分条件があります。
砂壌土とか壌土とか言われる土は、砂と粘土のバランス半分半分くらいで土が育ちやすい良い配分となります。
Point 2.バーク堆肥は
ⅰ)水持ちと水はけの両方を改善する
ⅱ)肥料持ち(保肥性)を改善する
ⅲ)乾くと水を弾く性質があるので、夏の高温時は干上がりに注意する
ⅳ)バーク堆肥は改良効果としては高いが、バーク堆肥単体では団粒構造を発達させることは出来ない
以上、バーク堆肥の改良効果を見てきました。
また、バーク堆肥に限らず堆肥の多すぎる投入は、窒素分が生育中過剰に効いてしまう恐れがあったり、水で流れ出た窒素分が外部に流れ出し環境汚染(硝酸態窒素)の原因ともなり得るので、施用量には基準に従い注意する様にしましょう。
次回は、バーク堆肥などの堆肥の完熟度割合について述べてみようかと思います。
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